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環境放射能を測定し子どもを守る

 京電力の福島第一原子力発電所の爆発による放射能漏れにより、今やわが国はもとより世界的な環境汚染が広がりを見せています。私たちはこうした事態の一刻も早い終息を願いつつ、日々重大な関心を持ち続けて今日に至っています。福島原発についてはなにをどうするの、こうするのということについては、私たちは手の施しようがありません。もどかしさだけが残る毎日です。毎日の政府や東電の発表はメディアを通じて知ることになる訳ですが、それとて、とても信ずるに足るものでないことを国民は感じています。政府も東電もウソをつく。隠し事をする。メディアもまた無批判、無自覚のまま報道がなされる。3月11日以降の事態の推移を見て私たちはそのことを実感をもって見せつけられてきました。
私の家にもあなたの庭にも学校の校庭にもと、今どこにでも降り注ぐこの放射能物質から私たちは家族やお年寄り、子ども達の健康をどのようにして守ることができるのでしょうか。このことに思いを致していかに私の考えを書くことにします。


放射線量を調べる
栃木県では放射線量の影響を観測することを目的として、環境放射能を測定しています。≪1日4回、栃木県保健環境センター(宇都宮市下岡本)、測定の高さ20m≫。このほかに県内7カ所にサーベイメーター(測定器具)を設置して1日2回の測定とHPでの公表を行っています。こうした測定作業は農産物、林産物、輸出用の工業製品、水道水等多方面にわたっています。いづれも私たちの生活、経済等に深く関わる事項です。
県教育委員会では学校や保育所といった子ども達が生活をする場における空間放射線量を測定して、去る5月19日に公表しました。栃木県下水道資源化工場(宇都宮市茂原)では汚泥処理過程で含まれる放射線量の測定、敷地内の空間放射線量の測定を行っています。県農務部では野菜から牧草、キノコや生茶葉まで測定を行って公表しています。
これらの測定の対象となる分野や品目は今後も増えていくことが予想されます。課題は次の点です。分野も品目も全ては国の方針に拠るということです。それ以外に独自の測定は各県とも積極的ではありません。原子力に係る事項は地方自治体には権限がない。予定されていない。それ故に全てが国の対応次第になるということです。

しかし私は、測定をすべきと考えていることが一つあります。それは学校等の校庭等の土壌を調査するということです。
文部科学省は「福島県内の学校等の校舎、校庭等の利用判断における暫定的考え方」を示しています。(平成23年4月19日)それによれば児童生徒等が学校等に通える地域に於いては「1−20mSv/年」を暫定的な目安としました
。また、8時間の屋外活動、16時間の屋内(木造)生活パターンを想定して、1−20mSv/年に達する空間放射線量は、屋外「3.8μSv/時間」、屋内で「1.52μSv/時間」だとしたのです。
年間20mSvときいて私は耳を疑いました。それはないだろう。国際放射線防護委員会(ICRP)勧告によれば、健康影響(リスク)に着目して人体が受ける放射線量は一般の人々では「1mSv/年」となっているからです。(公衆被爆限度)しかもICRP勧告は子どもと大人の区別を行っていないとのことで、子どもは大人の1/2とみるべきだという考え方があるのです。国際基準の20倍まで者数値でも校庭の利用は可能。大いに疑問です。それで子どもの健康、安全は守れません。
本県の学校等での空間放射線量は福島県に比すれば大変低い数値です。しかし現在の数値でみても1mSv/年は超える水準にあります。ここに内部被爆と食物摂取の被爆量を加えれば、実質的にはもっと大きな数値を示すはずです。また問題を複雑にするのは、放射性セシウムという物質の半減期が30年だそうで、私たちは長く、半永久的にこの放射能と付き合わなければならないということです。
そこで私は、文部科学省のこの度の暫定基準を見直すこと。国際基準である1mSv/年を大事にすること。学校等での校庭の放射能測定を行うことどを求めていきたいと考えています。
(2011.5.22記)


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